メンタライジング・アプローチ入門

 遂に臨床心理学ど真ん中の本を紹介

メンタライジング・アプローチ入門: 愛着理論を生かす心理療法

メンタライジング・アプローチ入門: 愛着理論を生かす心理療法

  • 作者:上地 雄一郎
  • 発売日: 2015/11/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

メンタライジングっていうのは、自分や他人の行動をその背後にある精神状態と関連させて理解する心的行為です

わかりにくいですね?

 

ざっくりといえば、自分はどんな気持ちからこのような行動をしたのか

あの人はどんな気持ちから私にあんなことを言ったのか

それを考えることが「メンタライジング」です

 

 

日常語でいえば「内省」というものに近いんですが、他者の行為に対しても行われるので、その点が内省とは少し違うようです。

 

この本はなかなかにボリュームがありまして、なかなかすべて要約できるようなもんではありません

が、しかし。それでも敢えて要約を試みるとすれば

クライエントの問題はメンタライジングの不全から来てるし、メンタライジングの不全を解消するように働きかけると病気が良くなっちゃうよ

そのためには治療者がクライエントと自分自身に対してメンタライジングできなきゃいけないよ

ってことです(断言)

 

適当にぶちかましてみたわりには大体そんな感じだっていう気がしてきましたw

 

もう少し付け加えましょう

メンタライジングアプローチは精神分析の中から生まれてきています

精神分析的なアプローチにおける患者の話の基本的な聞き方は

治療者自身に向けられている転移は何か?ということを考えながら聞くことです。

おそらくメンタライジングアプローチはここに注釈を入れてるんだと思います

つまり、転移に注目する前に(あるいはそれと同時に)メンタライジングがなされているかに注目せよということです

 

意外とボリュームのある本なので読むのは大変なんですが

メンタライジングの視点は分析的なアプローチ以外にも使えるものなので

他の学派の人も知っておくと有用だと思われます